実は、組織力が重要になったのは昨日今日のことではありません。 狩猟民にせよ農耕民にせよ、人類が、たとえば集落といった「組織」をもったときからはじまっている話なのです。
ビジネスの世界においては、これまで営業マン個人の能力に頼っている部分も少なからずありました。 それが、ある種の偶像的な「トップセールスマン」という虚構を生み出すことにもつな.かつていたのです。
ところが、個人の力にはおのずと限界があります。 現代は、その限界を突破することが、どうしても必要です。
そこで求められるのがかつて「トップセールスマン」という言葉は、ある会社や業界のなかでの営業成績(多くは単純な売上高や目標達成率)を並べたときに、高順位にいる営業マン、という意味でした。 報連相は、「自分がサボっていないことを上司に証明するための行動報仕巴ではありません。
組織力を高めるための情報共有化の第一歩なのです。 あなたの報連相が、あなたの営業部を強くするのだといっても過言ではないのです。
報連相には優先順位が必要ですが、最も優先順位の高いこと、すなわち真っ先に報告・連絡しなければならないのは「悪い情報」です。 報告しにくいことこそ、はじめに報告しなければならないのです。
顧客からクレームが寄せられた、顧客と約束したことを忘れてしまった、競合他社に受注されてしまった、自分の売上目標が達成できそうにない、大切な書類をなくしてしまった。 いずれも、できれば他の人には知られたくないこと、とくに上司には内緒にしたいようなことばかりでしょう。
なくした書類は各方面に手配して捜さなければなりません。 目標の達成がむずかしそうなら、これまでの営業活動の方法を見直し、挽回するためのアドバイスを受ける必要があります。

競合他社に受注されてしまったのであれば、できるだけ早くその原因を明らかにして、他の案件で二の舞にならないよう対抗策を練らなければなりません。 顧客との約束を忘れ、クレームが寄せられたのであれば、まずは担当者と責任ある立場にある人間が顧客に対して謝罪しなければならないのです。
いずれも、タイミングを逃してしまったのでは、対策が意味をなさないばかりか、事態はさらに悪化してしまうことばかりであることがおわかりになるでしょう。 タイミングを逃さず、問題を最小限に食い止めるためには、一刻も早く上司に報告し、指示を受ける必要があります。
たとえ、すぐに手を打つことができたとしても、それが自分一人の判断だけでは、問題の根本原因が解決されず同様の問題を繰り返すことにもなりかねません。 営業マンとしての経験が長くなればなるほど、上司への「相談」が減少していく営業マンがいます。
これだけ経験を積んでいるのだから、わざわざ上司に相談をしなくても適切ません。 情報を共有化することによって、組織としての営業力を高めることも、たいへん重要な狙いです。
あなたが報連椙を行なうことによって、その情報が部門内に共有化されるとともに、他の情報とのすり合わせが行なわれ、より適切な判断が可能になるのです。 報連相を行なうのは、あなたが未熟だからではありません。

優秀なトップセールスほど報連相をおろそかにしないということを、忘れないでください。 以下に「報告」「連絡」「相談」をするうえでの、大切なポイントをまとめましたので、参考にしてください。
指示どおりに完了したからいいというわけではありません。 報告を求める側は、その報告にもとづいて何らかのアクションを予定しているものです。
報告が早ければ早いほど、タイムリーなアクションを起こすことができます。 逆に報告が遅れた場合、問題解決の善後策をとれなくなってしまうことがあります。
たとえばライバル社の新製品に関する情報など、部門内、社内全体など、その情報の影響の範囲が大きいときほど、報告は迅速に行なわなければなりません。 経験か浅いうちは、その情報の影響度がどの程度なのかを適切に判断するのはむずかしいもの。
だらだらとした報告は、論点がわかりづらく、適切な判断が下せなくなってしまう恐れがあります。 報告を行なう際には、その報告のなかで最も重要な結論や結果を先に述べ、必要があれば詳細などについて付け加えるようにします。
余計な修飾語や、あいまいな表現を使ったりすることは、避けなければなりません。 単に「大きい・小さい」「増えた・減った」といった表現は、報告する側と報告される側でのイメージに差が生じ、正しく伝わらないことがあります。
数字で表現できる場合はなるべく数字を用いることによって、より正確な報告が可能となります。 いくら事実にもとづいているとはいえ、自分の考えや予想、感想、印象などは、本当にそうなのかどうかはわかりません。
これらを混同すると、正しい判断ができなくなる恐れがあります。 報告を行なうときに、自分の考えなどを述べることも大切ですが、客観的な事実とははっきり区別できるように配慮することが必要です。
自分が直接見聞きしたことならばともかく、あいだに情報の仲介者がいる伝聞の場合には、そのこともしっかりと報告する必要があります。 自分たちに対して快く思っていない人物の場合は、意図的に誤った情報を流すケースもありますので、十分な注意が必要です。

当たり前のことではありますが、とても大切なことです。 これは、伝える側が間違えないように注意するのはもちろん、相手が間違ってとらえないように配慮することも含まれます。
たとえば「2日(ふっか)」と伝える場合、「5日(いつか)」と聞き間違えられる恐れがあります。 こういった場合には「2日の月曜日」といった言い方をして、間違いを回避できるような工夫をするとよいでしょう。
わかりにくいことや、聞き間違うと大きな問題になるような場合は、書面やメモをそろえ、メールと併用するのもよいでしょう。 そのときは覚えたつもりでいても、あとになってどうしても思い出せないということはよくあるもの。
必ずメモをとる習慣をつけましょう。 日時や金額、品名、数量といった重要事項は、聞き間違いがないか、必ずメモをみながら復唱します。
連絡内容すべてを復唱するのは時間のムダ。 状況を適切に判断して、効率よく行なう必要があります。
忙しいときなど、つい「あとで連絡しておこう」と、連絡を先延ばしにしてしまいがちです。 そんなときほど、連絡すること自体を忘れてしまいがち。
あとになってあわてないよう、連絡すべきことが生じた場合は、すぐに連絡しておくようにしましょう。 どうしてもすぐに連絡ができない場合はメモに残し、あとで必ずチェックできるようにしておきます。

ついついおろそかになってしまいがちなのが、自分の行動についての連絡です。 自分ではわかっているだけに、連絡の必要性がなかなか実感できないものです。
「あいつはどこへ行ったのだ、用があるのに」といったことはよくあるもの。 携帯電話で連絡してくれればいいじゃないかと思われそうですが、顧客との面談中の可能性などを考え、遠慮してしまう場合もあります。
これからの行動予定などの定期連絡は欠かさないようにしましょう。 相談とは、単に指示を求めることではありません。
ある事柄について状況を説明し、自分の考えを述べ、アドバイスを求めることです。

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